⏱ 先に結論
- 眠ろうとするほど眠れなくなります
- 「眠れない」ことへの不安が、目を覚まさせます
- やることは1つ=布団で粘らない
- 眠くなってから布団に入る。眠れなければ一度出る
- 固定するのは「寝る時刻」ではなく「起きる時刻」
- ⚠️ 寝酒は逆効果です
- 寝つきは早くなりますが、夜中に目が覚めやすくなります
- 🚨 いびきをかく/早朝に目覚めて気分が沈む/脚がむずむずする
- 別の病気のサインなので受診してください
- こんな方に向けた記事です
- 寝つけない・夜中に目が覚める・朝早く目が覚めてしまう方
- 市販の睡眠改善薬やお酒に頼りはじめている方
- 睡眠薬を飲んでいて、やめ方を知りたい方
- 家族のいびきや昼間の眠気について知りたい方
- この記事を読むと分かること
- 薬より先に効くこと(考え方と生活の整え方)
- 🚨 受診したほうがいいサイン
- 睡眠薬の種類ごとの位置づけ
まず知っておくこと
- 一晩眠れないことは、病気ではありません
- 「続いていること」と「昼間に困っていること」が揃って、はじめて不眠症と考えます
- 目安=週3回以上が3ヶ月以上続く場合
- 必要な睡眠時間には個人差があります
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保することが推奨されています
- 量だけでなく「睡眠休養感」(休まった感じ)も重視されるようになりました
- 💡 「8時間眠らないといけない」わけではありません
- 📉 必要な睡眠時間は、年齢とともに短くなります
- 脳波で厳密に測った研究の数字です
- 15歳前後 ── 約8時間 / 25歳 ── 約7時間
- 45歳 ── 約6.5時間 / 65歳 ── 約6時間
- ∴ 成人後は、20年ごとに30分ほどのペースで減っていきます
- 🚨 一方で、寝床で過ごす時間は45歳以降むしろ増え、75歳では7.5時間を超えます
- ∴ 「昔より眠れなくなった」の多くは、必要な時間が減ったことと、寝床にいる時間が増えたことのずれです
- ∴ 同じガイドは、床上時間が8時間以上にならないことを目安にとしています
- 脳波で厳密に測った研究の数字です
- 眠れていない人は少なくありません
- 同じガイドが引用している令和元年の国民健康・栄養調査では、1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合は男性37.5%・女性40.6%
- 30〜50代の男性、40〜50代の女性では4割を超えています
眠れないタイプ
- 寝つけない(入眠困難)
- 不安・緊張と結びつきやすいタイプです
- 夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)
- 加齢・お酒・睡眠時無呼吸で増えます
- 朝早く目が覚めて、二度寝できない(早朝覚醒)
- 🚨 うつ病で典型的に見られます
- 時間は寝たのに、休まった気がしない(熟眠障害)
- 睡眠時無呼吸や、体が緊張したままの状態で起こります
薬より先にできること
- ① 眠ろうと頑張らない
- 「眠れないかもしれない」という不安そのものが、目を覚まさせます
- 眠くなってから布団に入る
- ② 布団で粘らない
- 眠れないまま布団にいると、脳が「布団=眠れない場所」として覚えてしまいます
- 眠れなければ一度出て、眠くなってから戻る
- ③ 固定するのは「起きる時刻」
- 寝る時刻を決めるより、起きる時刻を毎日そろえるほうが整いやすいです
- 休日に寝だめをすると、リズムがずれます
- ④ 時計を見ない
- 「あと何時間眠れる」と計算すると、焦りが増えます
- ⑤ 朝に光を浴びる/日中に体を動かす
- 昼寝をするなら、短く・早い時間に
- ⑥ 午後はカフェインを飲まない
- コーヒー・紅茶・緑茶・エナジードリンクなど
- カフェインは、数時間では抜けません
- ⚠️ 1日の合計は400mgまで ── コーヒー700cc程度です
- ∴ 「夕方から控える」では遅く、昼までにすると確実です
- ⑦ 寝る前1時間はリラックスする時間にする
- 明るい画面を見ない
- 部屋を暗く・静かに・ちょうどよい温度に
- 睡眠ガイド2023でも、光・温度・音の環境が挙げられています
- ⚠️ ⑧ 寝酒にしない
- 寝つきは早くなりますが、夜の後半に目が覚めやすくなり、休まった感じが減ります
- Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia の略です
- 日本睡眠学会が、治療者向けの実践マニュアルを公開しています
- 欧米では、不眠治療の第一選択として推奨されています
- 🚩 日本では受けられる施設がまだ限られており、普及が課題とされています
受診したほうがいいサイン
- 🚨 いびきをかく/寝ている間に呼吸が止まると言われた/昼間に強い眠気がある
- → 睡眠時無呼吸の可能性があります
- ⚠️ 放置すると高血圧や心臓・血管の病気のリスクが上がります
- 🚨 朝早く目が覚める + 気分が落ち込む・興味がわかない
- → うつ病の可能性があります
- ⚠️ 眠りだけ整えても、本体が残ります
- 脚がむずむずして寝つけない・じっとしていられない
- → むずむず脚症候群の可能性があります
- 💡 鉄が不足していることが関係する場合があります
- 血液検査で分かります
- 市販の睡眠改善薬やお酒に頼っている
- 生活に支障が出ている/長く続いている
「不眠」の裏に別の病気があることがあります
- うつ病=早朝覚醒+気分の症状
- 睡眠時無呼吸
- 時間は寝ているのに休まらない+いびき
- = 眠りでなく呼吸の問題
- 概日リズム睡眠障害
- 眠れないのではなく、眠るタイミングがずれている(夜型・交代勤務)
- むずむず脚症候群=寝つけない原因が脚にある
- 「眠れない」が症状なのか、別の病気のサインなのかで、やることが変わります
睡眠薬について
- 💡 お薬手帳や薬の袋に書かれている名前で探してください
- ⚠️ 同じ薬に名前が2つあります → 薬の名前(商品名と成分名の違い)
- 📖 薬の名前から種類を調べる → 睡眠薬の種類と名前の対応
- ① ベルソムラ・デエビゴ(スボレキサント・レンボレキサント)
- 眠りを促す物質のはたらきを調整するタイプ(オレキシン受容体拮抗薬)
- 依存や翌日のふらつきが少なめとされ、最近は最初に選ばれることが多くなっています
- ② ロゼレム(ラメルテオン)
- 体内時計にはたらきかけるタイプ(メラトニン受容体作動薬)
- 効き方はおだやかで、リズムのずれが関係する不眠に向きます
- ③ マイスリー・アモバン・ルネスタ(ゾルピデムなど)
- 脳のはたらきを抑えて眠らせるタイプ(非ベンゾジアゼピン系)
- よく効きますが、短期間・必要なときに限るのが原則です
- ④ ハルシオン・レンドルミン・デパス(トリアゾラム・ブロチゾラム・エチゾラムなど)
- ③と同じ系統のはたらき(ベンゾジアゼピン系)
- ⚠️ 長く使うと、やめにくくなります
- 高齢の方では、ふらつきや転倒に注意が必要です
- 💡 デパスは、もともとは不安をやわらげる薬です
- 眠るために処方されることもあります
- ⚠️ ⑤ 市販の睡眠改善薬(ドリエルなど・抗ヒスタミン成分)
- 一時的な使用を想定したもので、続く不眠には向きません
- だんだん効きにくくなり、翌日に眠気が残ることがあります
- ここに挙げたのは代表的なものです
- 同じ成分で別の名前の薬もあります
- 後発医薬品(ジェネリック)などです
- 薬を使う場合も、生活の整えと組み合わせて、「いつやめるか」を最初に決めておくのが基本です
- 今飲んでいる薬を、自己判断で増やしたり急にやめたりしないでください
- 急にやめると、かえって眠れなくなることがあります
- 処方した医師にご相談ください
迷ったときの一言
- 今夜眠れなくても、それだけでは病気ではありません
- やることは1つ=布団で粘らない
- 眠くなってから戻ってください
- ただし「いびき」「早朝覚醒+気分の落ち込み」「脚のむずむず」は別の話なので、受診してください
次に読むもの
- 周りの音で眠れない方 → 音が気になって眠れない・集中できないとき
- いま飲んでいる薬が何か調べたい方 → 睡眠薬の種類と名前の対応
- 高齢のご家族の薬について知りたい方 → 高齢の方が薬で気をつけること
最終確認 2026年8月30日 | この記事は一般的な情報です(ご利用にあたって)