⏱ 先に結論

  • まず見るのは「ふらつき」です
    • 立ち上がったとき・夜トイレに行くとき・朝の足元
  • 「最近ふらつきます」と伝えるだけで、薬の見直しが始まります
    • 薬の見直しは、もともと医療側でも行うことになっています
  • 🚨 薬で起こる問題のうち、影響が大きいのは転倒です
    • 眠りの薬・不安の薬・血圧の薬・前立腺の薬が関係します
  • 🚨 自分の判断で、薬をやめないでください
    • 急にやめると、かえって危ないものがあります
  • 🚨 急に別人のように混乱したとき(せん妄)は、その日のうちに相談してください
  • こんな方に向けた記事です
    • 家族の薬を管理している方
    • 薬が5種類以上ある方
    • 最近ふらつく・転んだ方
    • 薬の数が増えてきた方
  • この記事を読むと分かること
    • 転倒に関係する薬
    • せん妄のサイン
    • 相談するときの言い方

転倒がいちばん大きな問題

  • 🚨 転倒→骨折→動けない期間が続く→そのまま体力が戻らない、という流れが起こります
  • この流れの中で、すぐ変えられるのは薬です
    • 年齢も、骨の強さも、すぐには変えられません
    • 薬の種類と量は、相談して変えられます
  • 転びやすくなっているサイン
    • 立ち上がったときにふらつく
    • 夜、トイレに行くときに壁を伝う
    • 朝、足元がおぼつかない
    • ものにつかまる回数が増えた
  • ⚠️ 薬を始めた後・量を増やした後にこれが出たときは、そのことを伝えてください
    • 「いつから」が、原因を見つける手がかりになります
  • ⚠️ 立ちくらみで意識を失って倒れたときは、別の原因があることもあります

転倒に関係する薬

  • 厚生労働省の高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)は、ふらつき・転倒を起こしやすい薬として次を挙げています
  • 眠りの薬・不安をやわらげる薬
    • デパス(エチゾラム)
    • ハルシオン(トリアゾラム)
    • レンドルミン(ブロチゾラム)
    • サイレース(フルニトラゼパム)
    • マイスリー(ゾルピデム)/アモバン(ゾピクロン)/ルネスタ(エスゾピクロン)も、転倒・骨折のリスクが報告されています
    • → 睡眠薬の種類と名前の対応
  • 血圧の薬
    • α遮断薬=カルデナリン(ドキサゾシン)など/β遮断薬/中枢性の降圧薬
    • 立ち上がったときに血圧が下がって、ふらつくことがあります
  • 前立腺の薬(α遮断薬)
    • 古いタイプ=バソメット(テラゾシン)は、可能な限り使用を控えるとされています
    • 代わりに挙げられているもの=ハルナール(タムスロシン)・ユリーフ(シロドシン)
  • アレルギーの薬・胃の薬
    • 抗ヒスタミン薬 ── 胃薬のガスター(ファモチジン)も、この仲間として一緒に挙げられています
  • こころ・神経の薬
    • 抗うつ薬/てんかんの薬/抗精神病薬/パーキンソン病の薬
  • 認知症の薬
    • メマンチン
  • 🚨 これは「やめるべき薬」の一覧ではありません
    • 必要があって出ている薬です
    • ふらつきがあるときに、見直す価値がある薬の一覧として使ってください

急に別人のようになったとき(せん妄)

  • せん妄=急に、時間や場所が分からなくなる・話がかみ合わなくなる・夜中に落ち着かなくなる状態
  • 数時間から数日で急に始まったときは、薬や体の病気が原因のことがあります
    • 認知症は、ゆっくり進みます=急な変化は、別のことが起きているサインです
  • せん妄を起こしやすい薬として、国の指針が挙げているもの
    • 睡眠薬・抗不安薬
    • 抗ヒスタミン薬
      • H2受容体拮抗薬も含まれます
    • パーキンソン病の薬
    • 三環系抗うつ薬
    • テオフィリン
      • ぜんそくの薬です
    • ステロイド
    • ジギタリス・一部の不整脈の薬
  • 口の渇き・便秘・尿が出にくい、が出る薬(抗コリン作用)
    • 同じはたらきで、認知機能の低下やせん妄が起こることがあります
    • ⚠️ 1つ1つは弱くても、重なると影響が大きくなります
      • 飲んでいる薬全体で考えると指針に書かれています
    • 例
      • アレルギーの薬
      • 胃薬(H2受容体拮抗薬)
      • かぜ薬
      • 頻尿の薬=ベシケア(ソリフェナシン)など
  • ✅ 相談するときに持っていくもの
    • お薬手帳
    • 市販薬・サプリメント
      • せん妄のきっかけになることがあります
    • 「いつから変わったか」「その前に薬が変わっていないか」のメモ

同じ量でも効きすぎるようになります

  • 腎臓のはたらきは、年齢とともにゆっくり下がります
    • 腎臓から出ていく薬は、体の中に長くとどまるようになります
    • = 何年も同じ量で飲んできた薬が、あるときから効きすぎることがあります
  • 国の指針でも、高齢の方では少量(1/2〜1/3量)から始めて、様子を見ながら増やすことが原則とされています
  • ✅ 血液検査で、腎臓のはたらきを定期的に確認します
    • 「腎臓の数値は大丈夫ですか」と聞いてかまいません

薬の数が増えると起こること

  • 国の指針が示していること
  • ⚠️ ただし、数だけの問題ではありません
    • 指針は「6種類以上が必要な場合もあれば、3種類で問題が起きる場合もあり、本質的にはその中身が重要」としています
    • = 数を減らすことが目的ではなく、中身を見直すことが目的です
  • 薬が増えていく流れ
    • 副作用に、別の薬が足されることがあります
      • 例=薬でふらつく→そのふらつきに、別の薬が出る
    • 複数の医療機関にかかると、全体を見ている人がいなくなることがあります
  • ✅ 防ぐ方法
    • お薬手帳を1冊にまとめて、すべての医療機関・薬局で見せる
    • 薬局を1つに決めると、全部の薬を1人の薬剤師が見られます

「減らせませんか」と相談してよい

  • 薬の見直しは、もともと医療側でも行うことになっています=相談は、想定されている行動です
  • そのまま使える言い方
    • 「ふらつくのですが、関係する薬はありますか」
    • 「この薬は、いつまで飲む予定ですか」
    • 「減らせる薬はありますか」
    • 「今も必要な薬か、一度見ていただけますか」
  • 自分の判断でやめないでください
    • 急にやめると、かえって危ないものがあります
    • 眠りの薬=急にやめると、眠れなくなる・体調が崩れることがあります → 睡眠薬について(よくある質問)
    • 血圧の薬・心臓の薬=急にやめると、血圧や脈が大きく動くことがあります
  • 💡 減らすときは、1つずつ・様子を見ながら行います
    • 一度に何種類も止めることはしません
  • 💡 眠れないことが理由で薬が続いている場合、薬以外にできることもあります

飲み忘れ・飲み間違いを減らす

  • 国の指針が挙げている工夫
    • 一包化=1回に飲む分を1袋にまとめてもらう
      • 薬局に頼めます
      • ⚠️ 一包化が、必ず飲み忘れを減らすとは限らないとも示されています=合う方法は人によって違います
    • お薬カレンダー・お薬ケースを使う
    • 飲む回数やタイミングをまとめてもらう
      • 1日3回の薬を、1日1回の薬に変えられることがあります
    • 貼り薬に変える・飲み込みやすい形に変える
    • 服薬ゼリーを使う
      • 飲み込みにくいときの方法です
    • 袋に日付や印を付けてもらう
  • 飲み忘れの理由は、忘れっぽさだけではありません
    • 指針は、目が見えにくい・耳が聞こえにくい・指先の力が弱い・飲み込みにくい・薬の数が多い・飲み方が複雑、なども挙げています
    • = 理由によって、対策が変わります
      • 例=袋が開けにくいなら、開けやすい形にできます
  • 飲めていないことは、そのまま伝えてください
    • 飲めているのに効いていない、と判断されると、薬が増えることがあります
  • 💡 1回分を飲み忘れたときの対応は、薬によって違います
    • まとめて2回分を飲まないでください
    • 薬ごとの対応は、薬局で確認できます

迷ったときの一言

  • 「最近ふらつきます」と伝えるだけで、薬の見直しが始まります
  • お薬手帳・市販薬・サプリメントを全部まとめて、1回見てもらう機会をつくってください
  • 急な混乱・強い眠気・転倒があったときは、様子を見ずに相談してください

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最終確認 2026年7月28日 | この記事は一般的な情報です(ご利用にあたって)